64 Script "Chapter 2"
Opening
Prologue
Chapter 1
Chapter 2
Chapter 3
Chapter 4
『南部独立』
革命軍による南部地域の解放・独立は、さらな
る戦乱を予想させる出来事でもあった。
ローディス、そしてプロカス国王に革命軍壊滅を
支持された東部・西部の両地域軍。その動向が革
命軍の今後を左右する。
革命軍の南部地域解放・独立から数日後…
ローディスの三司官は
パラティヌス国王に対し、
革命軍殲滅を指示。
それを受けた国王は東部・西部の
両地域軍にその任を与えた。
……それから2カ月
西部軍は新将軍任官と同時に
南部地域への侵攻を開始。
数回の小規模戦を経た現在
西部軍の本拠地侵攻、
革命軍との全面衝突まで
そう時間はかからないと目されている。
一方の東方教会も同じ指示を受けていたが
何の動きも見せず
ただ沈黙を守っていた……。
『運命の出会い』
西部将軍に就任したユミル。その前に現れた騎
士ボルドウィンは、将軍の証『王家の神剣』と共
に、マーリという名の少女を従えていた。
初対面である筈の少女の事を知る自分自身に、
ユミルは違和感を覚える。
堅牢地神アンキセス
「ユミル王子…
そろそろ戻りましょう。
王子ユミル
「なぁ、アンキセス…。父上は何を
望んでおられるのだろう?
「この西部で僕に何を成せと…?
僕にローディス軍の相手をしろと
でも言うのか?
「…どうすれば良いのだ?
どうすれば僕は父上に好かれるの
だろうか…?
聞き慣れぬ男の声
「こちらにいらっしゃい
ましたか、ユミル将軍。
騎士ボルドウィン
「遅くなりましたが、
将軍の証を…
「王家の神剣を
お持ちいたしました。
騎士ボルドウィン
「この娘は、王子の身辺の世話をと
思い、連れてまいりました。
「平民ではありますが、歳、器量、
共に将軍の傍にお仕えするに
丁度良いかと思いますが…。
王子ユミル
「…君の…
……君の名前は何と…?
少女
「マーリ・キャランと
申します。
王子ユミル
「…何故だ?
僕は君を知っている。
君は…誰……
侍女マーリ
「きゃ!
王子ユミル
「…地震か?
騎士ボルドウィン
「フッ、古の神もユミル将軍が
気に入った様ですなぁ。
『現実を語る者』
南部解放という大きな目的を果たした革命軍で
はあったが、西部軍の南部侵攻、沈黙を守る東方
教会、更には革命軍内での意見の相違など、その
前にはより多くの問題が待ち受けていた。
南部 アッカ城
明星のフレデリック
「…東方教会は、
未だ動きを見せぬか…
軍師ヒューゴー
「我々との接触を阻止する為でしょう、
中央の監視が厳しくなっています。
「東方教会を中心とする東部地域は、
中央に逆らった過去がありますから、
仕方ないでしょう。
「中央の指示に従う気は無い様ですが、
味方となるか、敵となるのか、
…微妙な所ですな。
明星のフレデリック
「…うむ。
西部軍はどうなっている?
革命軍戦士
「ユミル王子の西部将軍任官以降、
五回の境界地域侵攻を確認。
「部隊規模は今迄の中で最大…。
恐らく近日中にこちらへの侵攻を
開始するものとおもわれます。
勇者デスティン
「西部軍も遂に本気を出すか…。
戦いは避けられそうにないな。
尽言のゼベク
「西部には、南部同様に労働を
強いられている地域がある。
「あそこの連中を解放して、
協力させるといい。
妖術士サラディン
「アウドヴェラ採掘場のこと
ですね…。
「あそこに収容されている
人々の大半は、
ボルマウカ人の筈…。
「恐らく、ローディス教国も
黙ってはいないでしょう。
尽言のゼベク
「丁度良いではないか。西部の
相手もローディスの相手も、
「奴等にやってもらえば良い。
ギブ・アンド・テイクだな。
マグナス
「ゼベクさんッ!!
何ですかその言い方は?
「貴方はボルマウカ人を
利用するつもりなのですか?
…我々の目的は何です?
「階層制の廃止と、ローディス
からの独立を目指しているの
ではなかったのですか?
「ならば彼等は同志の筈。
それをまるで道具の様に…
尽言のゼベク
「たった一度の成功で調子
付くなッ!
「目的実現の為にこそ…
戦いに勝利する為にこそ
言っているのだ。
「我々が奴等を解放し、
奴等は我々に協力する。
…間違っているか?
「利用するのではない、
共闘するのだッ!!
全ては勝利の為だッ!
明星のフレデリック
「…戦いに勝利する事は重要だが、
それは我々の目的とは違う。
「確かに目的実現の為の近道では
あるが、それで得られるのは脆く
儚い“平和”ではないか?
尽言のゼベク
「ならばどうするッ!?
東方教会との接触は取れず、
「西部軍との戦いも目前に迫って
いる。その後ろには中央軍…
そしてローディスだ!
「こんな状況下で理想を掲げて
どうする? あんたは同胞達を
無駄死にさせる気かッ!
明星のフレデリック
「………
尽言のゼベク
「どうせ西部軍とは事を構えるんだ。
追い返すだけでは生ぬるいッ!
「こちらから攻め込むべきだ!
そのままボルマウカ人を解放し、
ローディスの攻撃に備える。
「全て革命の為だッ!!
…文句は無いだろ、フレデリック?
明星のフレデリック
「マグナス、君は西部軍の侵攻
を止める為に西へ向かってくれ。
「他の者はいつでも動ける様、
待機しておいて欲しい。
今後に関しては、追って連絡する。
明星のフレデリック
「まだ私に言いたい事が
あるのか…?
尽言のゼベク
「フレデリック…
あんたは指導者なんだ。
「分かっているだろう?
俺の仕事は敵を葬る事だ。
…あんたの仕事は?
「理想か、それとも現実か?
どっちを取るのか、
ハッキリしといてくれよ。
明星のフレデリック
「………。
尽言のゼベク
「今に分かるよ。
あんたにも現実が…
「この革命を取り巻く、
現実ってものがな…。
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