TOPタクティクスオウガデータベースScript Chapter 2C アルモリカ城 > それは絶対にできない。


◆おのれの道を…

  連れ去られたカチュアを救出するためにアルモリカ
城へやってきた一行を待ち受けていたのは、ヴァイス
であった。一騎打ちの最中、騎士レオナールは戦いを
止め、強力するよう要請する。しかし、提案を断った
デニムはカチュアを助け、城を後にした。



デニム
「それは絶対にできない。
 あなたもバクラムも同じだ…。
「現実に追われ、夢を失った敗北者、
 それがあなたたちだ。努力もしないで
 理想を実現できるものかッ!

騎士レオナール
「なら、きみはどうするんだ!?
 きみなら理想的な世界を築けるとでも?

デニム
「僕はそんなにごうまんじゃない。
 ただ、納得したいだけだ。
「人が現実のためだけに生きているなんて
 僕には信じられない。
 だからこそ確かめたいッ!

騎士レオナール
「人は一切れのパンのために他人を殺す。
 自分の幸せのためだけに戦うんだ。
「だから、争いがこの世界から消えて
 なくなることはない。人が人である限り
 戦いはなくならないのだ。
「我々の役目は、そうした人々を管理し
 秩序ある世界へ導くことだ。
 彼らはそうした指導者を望んでいる。

デニム
「僕にはわからない…。あなたの言葉を
 信用することができない。
「いったい何を信じればいいんだ?
 僕は何のために戦っているんだ?
 あなたは何のために…?

騎士レオナール
「…わかった、もういい。
 きみに時間を与えよう。
「納得がいくまであがくがいい。
さあ、デニムよ、行け。
 カチュアを連れてこの城を離れろッ!

ヴァイス
「レオナールッ、どういうことだッ!!

騎士レオナール
「さあ、行けッ。自分の目で世の中を
 確かめてこいッ!
「きみの求めるものは、ここにはない。
 どこを探したって見つかるはずがない。
それを確かめるんだッ。
「希望を失った時、ここへ戻ってこい。
 私はきみを待っている。
 さあ、行け、ぐずぐずするなッ!

デニム
「僕はけっして絶望しない。
 自分に負けやしないッ!

ヴァイス
「待てッ、デニムッ!

騎士レオナール
「放っておけッ!
 自分で納得しない限り意味がない。

ヴァイス
「生かしておくと後悔することになる。
 それでもいいのか?

騎士レオナール
「そのときは、私が騎士の名誉にかけて
 彼を討ち取ろう。

ヴァイス
「…ヤツをやるのはこの俺だ。



僕は現実を知らない、ただの子供なのだろうか?


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"駆り立てるのは野心と欲望、 横たわるのは犬と豚"

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