カチュア
「自分を責めても仕方ないわ。
あなたはがんばったんだから。
デニム
「僕にはどうすることもできなかった。
彼らを救うことはできなかった。
カチュア
「…ねえ、デニム、
この島を離れましょう、ね?
デニム
「また、その話しかい。それはできないよ。
父さんの仇をとるまでは。
「それに、このままにしてはおけない。
死んでいったバルマムッサの人たちの
ためにも、戦いを終わらせなくちゃ。
カチュア
「これを見て。あなたの手配書よ。
3万ゴートの賞金首なのよ。
カチュア
「私たちのいる場所はもうないのよ。
ね、どこか遠くへいきましょ。
デニム
「できないよ、姉さん。
それはできないんだ…。
カチュア
「私たちだけじゃ何もできないわ。
もう、誰も手を貸してくれないのよッ。
デニム
「解放軍がバーナム山脈を越えて、
スウォンジーの森に集結しているんだ。
カチュア
「そう…。いよいよガルガスタンとの
決戦をむかえるのね…。
デニム
「うん、これで枢機卿も終わりさ。
でも、それは真の勝利じゃない。
「首のすげ替えが行われるだけさ。
公爵も一皮むけば、枢機卿のように
手段と方法を選ばない冷血漢なのに…。
カチュア
「でも、私たちに何ができるっていうの?
もう、どうしようもないわ
デニム
「情報によると、ランスロットさんたちも
来ているらしい。
「同胞ではないという理由から、
スウォンジーの森の後方、
タインマウスの丘にいるという話。
「解放軍のほとんどが集結している今なら
あのあたりは手薄になっているはず。
包囲網を突破できるんじゃないかな?
カチュア
「たしかに聖騎士様ならお力を貸して
くださるでしょうけど…。
デニム
「そうだろ、姉さん! これが最後の
チャンスかもしれない。さあ、行こう!